日本製3Dプリンター Blade-1と製作メーカーであるホットプロシード社について ~Part3~
前回の記事でBlade-1がメンデル型、Box型にしなかった理由を述べました。
●メンデル型にしなかった理由 ⇒ メンテナンスが大変
●Box型にしなかった理由 ⇒ 特許問題&拡張性が低い
では、Blade-1はどうなのか? 1つ1つ特徴を見てみよう。
メンテナスは簡単?
以下の内容がホットプロシードのホームページに書かれている。
耐久性のあるオール金属製ヘッド
数あるパーソナル3Dプリンターの中でも唯一オール金属製の溶解ヘッドを採用しているのは「Blade-1」だけです。長い間メンテナンスフリーでご使用いただけます。安定した金属製溶解ヘッドで射出成形を行えます。
溶解ヘッドも全て金属性だし、メンデル型ように樹脂を使用している部分はほとんどない。
なるほど、メンテナンスフリーとまではいかないかもしれないが、他の3Dプリンターに比べてメンテナンスの頻度は低いだろう。
溶解ヘッドのつまりや、故障などは長く使用していると必ず発生するもの。
Box型の3Dプリンターでは、溶解ヘッド修理時は3Dプリンターそのものを発送することもしばしば。その点、Blade-1は簡単に取り外しが可能。故障した際は、上記画像①、②の手順で取り外し、溶解ヘッドだけを発送すればよい。
特許は大丈夫?
『 なるべく3Dプリンターの費用を抑えたかった 』と湯前代表。
Box型にして、温度エリアを一定に保つ仕組みを作るとStrasys社の特許を触発してしまう。
この仕組みを利用すると特許料を払う必要があり、値段が一段と高くなってしまう。
Replicator2のように、特許侵害したくなかったし、温度を一定に保てないのならBox型にする理由はない。
そう考えBox型にはしなかったようだ。
※余談・・・MakerbotのReplicator2/XなどはBox型にして周りをケースで覆う事が出来る。Straysys社の特許侵害をしていると業界の人たちからは言われてきたが、Straysys社からは何も訴えられなかった。このカラクリは、この間のStraysys社によるMakerbot社の買収で何やら検討が付く。Makerbot社の買収シナリオが最初から出来ていたからだろう。
拡張性はあるの?
Blade-1は、拡張性についてきちんと設計されている。
【 拡張オプションその1 加工範囲の拡張 】
造形最大可能サイズが他の3Dプリンターより小さいBlade-1。Replicator2が 285(W) x 153(D) x 155(H) mmのに比べると、Blade-1は 100(W) x 100(D) x 100(H) mmと割りと小さ目。
もっと大きい造形品を作りたい人向けに、100×200×100mmにしたり、200×200×200mmに出来るオプションを考えているとのこと。ホームページで拡張版が販売されているように加工範囲の拡張が可能なのだ。
①加工範囲 100×200×100mm 180,000円
②加工範囲 200×200×200mm 380,000円
Box型だとこのような事は出来ない。Blade-1ならではの芸当である。
【 拡張オプションその2 Dual ノズル 】
まだホームページなどには載っていないが、将来はDualノズルが出来るようにして、2色同時に3Dプリンティング出来るようにしたいと思っているそうだ。先の仕組みで述べたが、その理由よりノズル部はシンプルな作りにしたそうだ。
この拡張オプションが公開されれば、Blade-1がCubeX DualやReplicator2/Xのように2色同時の3Dプリンティングが可能になる。
このように、Blade-1が今の形になったのは、拡張性が考えられているからだ。
※既に購入している人は、上であげたオプションが今後可能になるかもしれない。(オプションはあくまで構想との事。いつリリースする、本当にやるとは言われていないので注意)
最後に
『 拡張性をもたせ、DIY好きなユーザーに3Dプリンターを永く楽しんでもらいたかった 』
そう、湯前代表がおっしゃっていたのが印象的だった。
一度買ったら、ハイお終いの3Dプリンターではなく、購入後もユーザと一緒に成長できる3Dプリンターを目指して作っているとのことでした。購入後も、色々とオプションつけて自分専用の3Dプリンターに仕上げていく。そんな楽しみ方も考慮して、さらなる改良を続けているとのことでした。
DIY好きな人にとってはうってつけの3Dプリンターなのかもしれませんね。
※ホットプロシード社から何かのインセンティブを貰って紹介しているんだろっ! と問い合わせがありました。念のためお伝えしますが、全く!そんな事ありません。実際にBlade-1を扱い、ホットプロシード社の真摯な対応をうけたので、その思い・教えてもらった内容をそのまま書いています。
>Box型にして、温度エリアを一定に保つ仕組みを作るとStrasys社の特許を触発してしまう。
そういえばScoovo危ないですね。かなり囲ってます。
うちのSolidoodleは完全にブラックっぽいですねぇ
ケースは取り外せるからいいのかな?
FDM技術全般はともかく、
造形エリアを加工だけで特許って…
さすが訴訟社会アメリカ…
Scoovoはどうなんでしょうかねぇ。
確かに囲っちゃってますよね。
一応、PCパーツメーカーでそこそこのノウハウがあるでしょうから、賢い逃げ道を使ってるのを願います。数か月後に、Makerbot社から訴えられたりして。。。