3Dプリンターで使われる素材・樹脂について



3Dプリント出力サービスを行っているShapeways(11種類)、DMM.com(5種類)で扱っている素材と家庭用3Dプリンタで広く使用されているABS樹脂とPLA樹脂を紹介します。

3Dプリンタでは各方式ごとに指定の材料が使われます。どの方式も材料を積層して造形するため、強度の面では、CNCプロッタなどで1つの材料の塊を削ったもの、型を作りそれに樹脂などを流し込み成形する鋳型(イガタ)に比べると劣ります。 そのような大枠の仕組みを理解した上で各材料の特徴を見てみましょう。

【家庭用3Dプリンターで使用される素材・フィラメント】

家庭用3Dプリンターでは、フィラメントと呼ばれるひも状の樹脂を使うのが一般的です。
2種類のフィラメントの特徴を解説します。

ABS樹脂

 

 

・ABS樹脂  4,200円/kg

アクリロニトリル(Acrylonitrile)・ブタジエン(Butadiene)・スチレン(Styrene)を化合して作るプラスチックの一種です。それぞれの頭文字をとってABS樹脂と呼ばれています。
常温では変形しにくく、加熱すると軟化して成形しやすくなり、冷やすと固くなる性質(熱可塑性)があります。耐熱温度は70~100℃(耐熱性、耐寒性)となっています。
PLA樹脂に比べ耐衝撃性があるので、日用品や雑貨などの用途に適しています。
樹脂自体に熱収縮性があるので、積層ピッチが小さい物を3Dプリンティングしている際に成形テーブルより造形物が反り返る事があります。サンドペパーやヤスリなどで表面処理が行え、塗装を容易に行う事が出来ます。 色は薄いアイボリー色が一般的ですが着色が可能です。また、有機溶剤に弱く、酸やアルカリに強いのも特徴のひとつです。

・PLA樹脂  4,200円/kg

PLA樹脂は植物性由来の成分で出来ている樹脂です。ですので3Dプリンタ出力中は、嫌な匂いは発しません。成型温度はABS樹脂よりも低く、成形された物は粘りが少なく強固です。
成形温度が低い為、造られた物が高温に弱いというデメリットもあります。 真夏の車中に、PLA樹脂で成形した造形物を置いておくと変形してしまいます。 また材料が固い為、ABS樹脂のようにサンドペーパーやヤスリがけが難しく加工作業が困難になっています。塗料もABS樹脂に比べると馴染みません。

よく2つの樹脂を利用できる3Dプリンタがありますが、ABS樹脂からPLA樹脂に変更する際は注意が必要です。ABS樹脂を出力する設定値のままPLA樹脂を出力してしまうと、ノズルづまりが発生する可能性があります。PLA樹脂は高い温度のまま放置されてしまうと、炭化してしまいノズルにつまってしまいます。

 

 

【3Dプリント出力サービスで使われる素材】

主にプリント出力サービスで使用される金属 / ゴム / 他の素材を解説します。

 

石膏フルカラー

dmm1
得意なジャンル フィギュア、ミニチュア
カラー ホワイト、フルカラー可能
価格帯目安 安い
質感 ざらざら
造形可能な最大サイズ 縦185mm×横298mm×奥行185mm
再現性 微細な形状は不向きです。厚さ2mm以下は崩れやすくなります
白色の石膏パウダーに色を付けてフルカラーの3Dプリントが可能です。価格帯も安めのため、気軽に3Dプリントできます。PLY形式、VRML形式のカラーデータに対応しています。微細な形状は不向きです厚さ2mm以下は崩れやすくなります

 

アクリル樹脂

dmm2
得意なジャンル フィギュア、ミニチュア
カラー ホワイト、フルカラー可能
価格帯目安 安い
質感 ざらざら
造形可能な最大サイズ 縦185mm×横298mm×奥行185mm
再現性 形状先端は最小幅で0.3mm程度まで再現可能です。
表面が滑らかな半透明のアクリル樹脂素材のため、既製品に近いキレイさを楽しめます。

 

ナイロン(ポリアミド)

dmm3
得意なジャンル ガジェット、インテリア、デザインアイテム
カラー ホワイト、レッド、ブルー、ピンク、パープル、ブラック
価格帯目安 安い
質感 ざらざら
造形可能な最大サイズ 縦280mm×横186mm×奥行205mm
再現性 形状先端は最小幅で0.8mm程度まで再現可能です。※1mm以上を推奨いたします
耐熱性と靱性に優れた樹脂のため、実際に使用するナイロン部品としての強度をもった造形が可能です。スナップフィット、タッピングネジに適応しています。

 

シルバー

dmm4
得意なジャンル アクセサリー
カラー シルバー
価格帯目安 高い
質感 なめらか
造形可能な最大サイズ 縦203mm×横298mm×奥行185mm
再現性 形状先端は最小幅で0.8mm程度まで再現可能です。※鋳造により再現出来ない場合がございます。
3Dプリントしたモデルを鋳型にして、シルバーを鋳造します(ロストワックス法)。実際にアクセサリーなどで利用されているシルバー材料を使用しています。

 

アクリル樹脂

dmm5
得意なジャンル パーツ、デザインアイテム
カラー マットシルバー(研磨による金属光沢可能)
価格帯目安 やや高い
質感 なめらか(鋳造品相当)
造形可能な最大サイズ 縦250mm×横250mm×奥行325mm
再現性 形状先端は最小幅で0.3mm程度まで再現可能です。※材質の機械的特性を考慮する場合には1mm以上を推奨いたします。
実際に使用する金属部品としての強度をもった造形が可能です。造形物にはチタニウムに対する一般的な加工を施すことが可能です。

以下は、オンラインより好きな素材・材料で3Dプリンティングしてくれるサービス Shapewaysのホームページを参考にまとめました。

 

Strong & Flexible Plastic
得意なジャンル iPhoneケース、宝石まで幅広い用途
カラー 白、白(つや有)、黒、コーラルレッド(つや有)、すみれ色の紫(つや有)、ホット・ピンク(つや有)、紺青色(つや有)
1 ㎥あたりの値段 1.5~1.75ドル
壁の最少厚さ 0.7mm
造形可能な最大サイズ 白: 縦450x横350x奥行550mm 黒: 縦230x横180x奥行320mm つや有り: 縦150x横150x奥行150mm 染色: 縦150x横150x奥行150mm
この素材は強度があるため、0.7mmの厚さで物を作る事ができます。微細な形状、細部にわたる装飾の再現性も高く、ほぼ何にでも使用できます。幅広く応用が可能です。防水ではなく耐熱は80℃です。

 

Alumide
得意なジャンル 宝石、未来的な外見を必要とするもの
カラー
1 c㎥あたりの値段 つや無:1.75ドル、つや有:2.00ドル
壁の最少厚さ 0.8mm
造形可能な最大サイズ つや無: 縦230x横180x奥行310mm つや有: 縦150x横150x奥行150mm
アルミニウム粉末から成るナイロン・プラスチックです。ジュエリーや奇抜な形状のもの、未来的な外観を必要とする物に最適です。樹脂ですが、金属のつや消しのように仕上がります。 ステンレス鋼およびシルバーの材料より安い価格でつやの無い金属ライクの製品を作れます。防水ではなく、耐熱で172℃です。

 

Detail Plastic
得意なジャンル 詳細なディティールを確認したい物
カラー 白、黒、透明
1 c?あたりの値段 2.99ドル
壁の最少厚さ 1mm
造形可能な最大サイズ 縦250mm×横200mm×奥行200mm
アクリルをベースとした感光性樹脂です。詳細な製品を作りたい時に使用されます。表面は滑らかで、少しだけ光沢のある仕上がりになります。防水で耐熱は48℃です。

 

Frosted Detail Plastic
得意なジャンル ミニチュア、列車モデル、および滑らかで詳細なプロダクト
カラー シルバー
1 c㎥あたりの値段 Frosted Detail 2.39ドル Frosted Ultra Detail 3.49ドル
壁の最少厚さ Frosted Detail:0.5mm Frosted Ultra Detail:0.3mm
造形可能な最大サイズ FD:縦298mm×横185mm×奥行203mm FUD: 縦127mm×横178mm×奥行152mm
Detail Plasticはつや消しがあり半透明で光沢があります。 精度はとても良く滑らかな質感ですが、強度は強くありません。 防水で耐熱は80℃です。

 

Steel
得意なジャンル
カラー ブロンズ(つや有、無)、ゴールド(つや有、無)、黒、グレイ(つや有)、銀(つや有、無)
1 c㎥あたりの値段 8.00ドル
壁の最少厚さ 3.0mm
造形可能な最大サイズ ステンレス、ブロンズ、黒、グレイ: 縦762mm x 横393mm x 奥行393mm ゴールド、ニッケル: 縦330mm x 横190mm x 奥行228mm
柔軟性は無く、耐久性を要するプロダクトに向いています。表面は小さな穴が散財しており、精度を要する物には向いていません。光沢のある仕上がりが可能です。

 

Sterling Silver
得意なジャンル 宝石、貴金属
カラー 銀(光沢により3段階の見た目: Raw、Polished、Premium)
1c㎥あたりの値段 Raw、Polished: 20.00ドル Premium: 3.4c?まで28.00ドル 、3.4c?以上は75.00ドル
壁の最少厚さ Raw: 0.6mm、PolishedとPremium: 0.8mm
造形可能な最大サイズ 縦89mm×横89mm×奥行100mm
シルバーは強度があり、上品で滑らかな光沢のある仕上がりになります。宝石などのプロダクトに向いています。

 

Brass
得意なジャンル 宝石、貴金属
カラー ゴールド(光沢により3段階の見た目: Raw、Polished、Gold Plated)
1 c?あたりの値段 Raw: 16.00ドル、Polished:18.00ドル、Gold Plated: 22.00ドル
壁の最少厚さ Raw: 0.6mm、PolishedとGold Plated: 0.8mm
造形可能な最大サイズ 縦89mm×横89mm×奥行100mm
金のメッキの黄銅です。この素材は強度もあり、細部の再現性も高く、光沢があり高級感のある仕上がりになります。Gold Platedは、ゴールドでめっきするので本物の金のオブジェクトに似る作りになります。そのため貴金属や宝石などのプロダクトに向いています。

 

Bronze
得意なジャンル アンティーク雑貨、スチームパンク宝石
カラー ブロンズ (光沢により2段階の見た目: Raw、Polished)
1 c㎥あたりの値段 Raw: 16.00ドル、 Polished: 18.00ドル
壁の最少厚さ Raw: 0.6mm、Polished: 0.8mm
造形可能な最大サイズ 縦89mm×横89mm×奥行100mm
生のブロンズRawでは、ざらつきを備えた質素で光沢の無い雰囲気の良い外観が可能です。また、銀色のハイライトが出来るので、製品にユニークな性格を与えます。その為、アンティークやスチームパンク宝石に向いています。 強度もあるため機能的な部分などの用途にも向いています。

 

Elasto Plastic
得意なジャンル 弾力性のあるプロダクト
カラー オフホワイト
1 c㎥あたりの値段 1.75ドル
壁の最少厚さ 0.8mm
造形可能な最大サイズ 縦300mm×横300mm×奥行250mm
Elastoプラスチックの最大の特徴は、とても柔軟性が高いことです。 そのやわらかさから、靴などをつくることができます。 厚さ5mm以上で出力した時は、表面が滑らかでなく、ザラザラになります。防水ではなく、耐熱は90℃です。

 

Full Color Sandstone
得意なジャンル フィギア(ヒト、キャラクター)
カラー フルカラー、サンドストーン
1 c㎥あたりの値段 0.75ドル
壁の最少厚さ 2mm
造形可能な最大サイズ 縦250mm×横380mm×奥行200mm
石膏粉末で製品を作るので、強度はそれほどありません。 11種類の素材の中、唯一フルカラーで着色が行えます。印刷後、モデルの耐久性および鮮明な色を保証するために強力接着剤でコーティングします。防水ではなく、耐熱は60℃です。

 

Ceramics
得意なジャンル 食器類(コップ、お皿)、彫像、小像
カラー 白、黒、アボカド色、パステルイエロー、エッグシェルブルー (全色ツルツルの光沢有り)
1 c㎥あたりの値段 0.35ドル
壁の最少厚さ 3mm
造形可能な最大サイズ 縦340mm×横240mm×奥行170mm (縦+横+奥行 が400mm以下になる事)
安全性が高く、光沢があるプロダクトを作れるので、食器や彫像などに向いています。カラーバリエーションも豊富です。 防水で耐熱が500℃もあるため、食器洗浄機での利用も可能です。

 




2 Comments on 3Dプリンターで使われる素材・樹脂について

  1. Projetの新作(4500)のフルカラー用樹脂ってのが出たみたいですが、あれは新素材なんですかねぇ~ 樹脂にフルカラーってイマイチ想像がつかない~!!

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