MAKERS憧れの3Dプリンター、Replicator2の魅力を紹介
家庭用 3Dプリンターで世界一番有名な会社といえば、間違いなく米国のMakerbot社。
そのMakerbot社のメインラインナップであるReplicatorシリーズ。その後継機にあたるのがRepilcator2だ。
Replicator2には2つの大きな特徴がある。
【 特徴1 : 美しい造形物が作れる 】
3Dプリンターを選ぶ上で重要な判断基準である積層ピッチ。
積層ピッチの数値が小さければ小さいほど、より美しいものを造形(3D印刷)出来る。
Replicator2の積層ピッチは0.1mm。
DLP光造形方式のB9Creatorの0.05~0.1μmには及ばないが、他のRepRap 3Dプリンターと比べると凄いのが判る。Blade-1が0.2~0.4mm、Replicator2より高価なCubeXでも0.125mmとなっている。今発売されている家庭用3Dプリンターの中では実質No1の精度といっても良いだろう。
それでは実際に0.1mmの積層ピッチで造られた物を見てみよう。(クリックで画像は大きくなります)
0.1mmの精度はだてじゃない事がわかる。ちなみに精度は変更可能で3つより選択可能。Fine: 0.1mm、Medium: 0.27mm、Fast: 0.34mm。
【 特徴2 : 大きなものが作れる 】
加工範囲であるビルドエリアが他の家庭用3Dプリンターに比べ大きい。
285x153x155mmの大きさまで出力可能。
前モデルのReplicatorに比べると37%も大きくなっている。
建物もこんな感じで作れちゃいます。
iPhone5のケースだってラクラク作れちゃう。
出典:social-design-net.com |
作品:@romanovh |
証拠の動画
CubeXの275x265x240mmにはかなわないが、他の家庭用3Dプリンターと比べると断然大きい。参考として他の家庭用3Dプリンターの大きさを紹介。Blade-1が 100x100x100mm、Up! 3D Printerが140x140x135mm、Lunavast Prusa V2が200x200x150mm。
【 スペック 】
使用フィラメント | PLA |
加工範囲 (ビルドエリア) |
285mm(W) x 153mm(D) x 155mm(H) |
積層ピッチ | Fine: 0.1mm、Medium: 0.27mm、Fast: 0.34mm |
本体サイズ | 490(W) x 420(D) x 380(H) mm |
重量 | 11.5Kg |
3Dデータのファイル形式 | stl、obj、thing |
【 材料 】
プリンターで使用される材料であるPLA。1kg単位で売られているが値段が高い。
1kg当たりのスプールでどれぐらいの物が作れるのか? ユーザーなら誰しも知りたいところ。
その要望に答えようと、ReplicatorのメーカーであるMakerbot社はとんでもないことを実験していた。
その結果は、何と392個もできちゃったとのことwww(Makerbot社調べ:ニュースソース)
こんな所に労力を使うMakerbot社。私は大好きだ。
【 管理人より 】
家庭用3Dプリンターの中でどの3Dプリンターがお勧めですか? と聞かれたらこう答える。
『 日本製ならBlade-1、世界でひとつ選ぶならMakerbot社のReplicator2です。 』
なぜ、私がReplicator2を勧めるのか?それには理由がある。
何もコストパフォーマンスだけで勧めている訳ではないのだ。
一つ目:.Replicatorシリーズにはストーリーがある
私が最初に知った3DプリンターがReplicator2の先代にあたるReplicator。
クリスアンダーソン著のMAKERSの中に登場する。
MAKERS著者であるクリスアンダーソンが愛用している3Dプリンター
彼のストーリを読み、そして純粋に3Dプリンターの魅力・可能性に私はひかれた。
そして今、見てくれているこのサイトJapanese Makersを作った。
それが、Replicator2を勧める理由の一つ。
二つ目:Makerbot社の3Dプリンターが将来身近な存在になる可能性が高い
今後はMakerbot社の家庭用 3Dプリンターが世界シェアをさらに伸ばしていくだろう。
一番普及しているパソコンといえば? Microsoft社のWindows。
一番普及している3Dプリンターといえば? Makerbot社のReplicatorシリーズ。
そのように答える日はそう遠くないのかも。
では、何故Makerbot社の3Dプリンターは世界シェアを伸ばしていけるのか?
それはMakerbot社の事業戦略が野心的でスピーディだから。
Makerbot社が展開している事業を紹介しよう。
- 廉価版の3Dスキャナを開発・販売(2013年秋頃発売予定)している
- 3D CAD会社大手のAutodesk社とも事業提携している
- 世界で一番有名な3Dデータ共有サイト Thingiverseを運営している
- 3D関係のショップをニューヨーク等の大都市に展開している
みるとわかるが3Dプリンターだけに力を入れている訳ではない。3Dデータ生成から印刷するまでの全ての工程に関わっているのだ。
3Dスキャナで3Dデータを作成⇒3Dソフトで3Dデータを編集⇒3Dデータをオンライン上に公開⇒3Dプリンターの製造・発売。
このように、3D業界を大きなくくりで捉え、マーケティング戦略を実施している会社は他にある?
今のところMakerbot社以外にはないでしょう。
今後、Makerbot社が家庭用 3Dプリンターの世界シェアをドンドン占めていく。
会社が上場し、さらに世界展開が進み東京にもショップが出来る。
そして、いつの日にか我が街にもショップが出来る。
勝手だが、そんな未来を想像してしまう。Replicatorシリーズが、身近な存在になる。
そうなるとしたら、どのメーカーの3Dプリンターを今から使いこなす?
追記:
3Dプリンター業界大手の3DSystems、stratasys社。
彼らが持つ多数の既得権益を捨て、高機能3Dプリンターの特許を廉価版3Dプリンターに踏襲して発売すれば世界シェアは変わるはず。
私の知る限りでは、今のところその動きはなく、3DSystemsなどはRepRap方式のCubeシリーズの展開を頑張っている。彼らの各国に持つネットワークを駆使しても限界があるはず。一番大事なのは、目の肥えたユーザの心をどれだけ掴めるか。私にはMakerbot社が数歩先を進んでいるように映ります。
こんにちは
3Dプリンターは米2強に水をあけられっぱなしですねぇ
今日新聞に産官学連携で
3Dプリンターの開発に取り組むなんて記事がありました。
なんでも粉末焼結を現行の10倍の速度で出来るとか…
今はいろいろ課題も多い3Dプリンターですが、
もっと便利になるといいですねぇ
PS.1か月の故障期間を経て
我が家のSoli子ちゃんが復活しました。
故障中にSlicerのチューニングを徹底して
かなり造形品質が上がりましたよ~♪
はい、5月29日の日経に『3Dプリンター造形速度10倍 次世代機開発、産官学で』とありましたね。何でも自動車などに使われる鋳物部品の品質向上やコスト削減につながるとか。
産官学(IHI、日産、コマツ、経産省、早稲田大学)で協力し、品質のより高速度な3Dプリンターを中小企業に低価格でドンドン売って欲しいですね。日本の鋳物産業の復活なるか! このプロジェクトにかかっていそうですね。
PS:Soli子ちゃん復活おめでとうございます。それにしても結構修理まで長かったですねぇ。。。。 今度Slicerのチューニング方法、記事アップお願いします(^^